韓国にある「ハンゲレ新聞社」は2025年夏に東京で開催した高等部キャンプを取材して韓日両国から参加した学生それぞれ3名、合計6名について座談会を行い、学生らの話を聞いて彼らの考えを記事にし2025年8月13日の9面に特集ページとして掲載しました。
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「過去の歴史が絡み合っているが、人との繋がりが重要」
「政府が交流の機会を増やすことを祈る」
光復80周年、韓日国交正常化60年
韓日青少年懇談会
「よく似合ってるよ~」
先月30日、日本国立オリンピック記念青少年総合センター。 韓日の高校生約40人は韓服(ハンボク)と着物を交互に着て、お互いの着こなしを褒め合っていた。
そんな中、日本の学生たちは「ネットフリックスドラマ『イカゲーム』で見たことある」として、コンギ遊びに夢中になった姿も見受けられた。 一方、韓国の学生たちは先が丸くなった木の棒に糸でつながっているボールを乗せる日本伝統のおもちゃ「ゲンタマ」に嵌まっていた。 彼らは韓国民間団体である韓日協会が7月~8月の間、両国を行き来しながら主催した6泊7日の「韓日学生交流キャンプ」を通じて、討論、発表、ゲーム、歌などを共にした。
両国の青少年にとって「大人の物語」である韓日関係と過去の歴史には、どんな意味を持つのだろうか? 今回、行事に参加した韓国側の金スインさん(黔丹高校2年)、パン·スンヨンさん(盤谷高校2年)、イム·ソビンさん(慶安高校3年)と日本側の川島史音さん(桜国際高校2年)、久保園友里美さん(東京学芸大学付属高校1年)、 三嶽苺香さん(厚木高校2年)に会って、未来世代が考える韓国と日本の未来について聞いてみた。 彼らは「最近は韓国語が上手な日本の友人、日本語が上手な韓国の友人も多く、互いにK-POPと(日本)アニメーションが大好きだと話した」とし、「私たちと同年代の子達がもっと頻繁に、たくさん会って互いに理解する機会を増やせば、今後両国関係は、簡単には崩れない丈夫な根ができるのではないか」と話した。
韓国大学への進学を考慮している川島さんは、K-POPの話が出ると目が大きくなった。
彼は「小学生の頃、テレビでガール・グループKARAのダンスと歌を見て『韓国アイドルの個性と魅力が本当にすごい』と感じ、韓国について知りたかった」とし、「昨年から韓国語を本格的に学んでおり、韓国の大学に通いたい」と話した。 三嶽さんはK-POPで始まった関心が韓国料理への愛に繋がったケースだ。 彼は「TWICEを見てK-POPにはまり、食べ物にも関心ができ、その中でも一番好きなのは『キンパプ』」と話した。 韓国人の母親と日本人の父親の間で生まれた久保園は「母親が作ってくれたトッポッキの味に惚れて、自分の半身を探しに行く感覚で韓国に関心を持つようになった」と話した。
堅苦しい教科書を通じてお互いを学ぶ代わりに、面白い映像を見たり文化を直接体験しながら日本にもっと親しみを感じるのは、韓国の同年代も同じだ。将来外交官を夢見るスインさんは「日本の有名アニメーションや面白い映画を見ながら、幼い頃に教科書を通じて漠然と感じた警戒感を崩すことができた」と話した。 翻訳家を志望するスンヨンさんは「教科書で日本について学んだのは、主に暗い過去史が中心だったが、Youtubeなどを通じて日本文化や食べ物、旅行情報を見ながら良い部分もたくさん知ることができた」として「特にアニメーションが私とよく合う」と話した。 独学で日本語を勉強したソビンさんは韓国と日本の人々が集まって互いに相手の言葉で会話をする「言語交換」で言葉と文化を同時に学んでいる。
彼は「ビデオ会議で外国人と会話するアプリを通じて日本人と『言語交換』をしながら日本語を学び、親しくなった人達と交流をしている」と振り返った。 過去の歴史から相対的に自由な韓日の若い世代は、韓国のK-POPや「アニメ」(日本のアニメ)に代表される大衆文化と旅行などを通じて、すでに距離感を縮めている。
最近では、日本国内で開催されたK-POPグループの大型コンサートが連日売り切れているのがその証拠だ。 また、韓国では日本の植民地時代だった大正時代(1912~1926)の日本文化が反映された「鬼滅の刃:無限列車編」が2021年に公開され、200万を越える観客を動員するシンドロームを起こした。 まもなく公開される新作「鬼滅の刃:無限星編」も前売1位を記録した。
韓日の若い世代が互いに接する姿勢も徐々に変わってきているという。 ソビンさんは「以前は日本文化について語ると『お前、日本が好きなの』と話す友人もいたが、最近はそのような話をほとんど耳にしていない」と話した。 スインさんは「私も幼い頃には歴史問題のせいで、日本に対する認識があまり良くはなかったが、旅行を通じて日本文化を勉強しながら考え方が変わった」と話した。 川島さんはこの前向きな気持ちの変化を歓迎した。 彼は「日本で歴史を学んだため、初めて韓国の友人たちと交流しながらこのような問題を認知し、どう接していけば良いか考えるようになった」とし、「最近日本や日本文化が好きな同世代の韓国の友人が多くなった印象を受け、それが本当に嬉しい」と話した。
東アジア研究院(EAI)は6月、世論調査機関である韓国リサーチと共に全国成人男女1509人を対象に行った「2025東アジア認識調査」の結果、回答者のうち63.3%が「日本に良い印象」を持っていると伝えた。
昨年(41.7%)に比べて21.6%ポイント急騰した数値だ。 東アジア研究院のソン·ヨル院長は、調査結果を分析しながら「青年世代18歳~29歳のうち74%が日本に好感を持っている」として「彼らは日本大衆文化消費の主役であり、韓日相互認識の向上、特に相互好感度を上昇させている」と説明した。 日本側でも内閣府が今年発表した「外交に関する世論調査」(2024年10-11月実施)で、「韓国に親しみを感じる」と答えた18歳~29歳の青年が72.5%に達する。 他の年齢層が最低48.1%(40代)~最大59.0%(30代)であったのと比べると、その差は大きい。
彼らは両国の間にあった歴史を歪曲したり忘れたりしてはならないが、より良い未来に進むためにも、歴史に足をすくわれてはならないと話した。 スンヨンさんは「時代が変わる中で、昔のことは良い方向に整理し、お互いが前向きな姿勢と印象だけを持って交流が続いてほしい」と話した。 ソビンさんは過去を学ぶと同時に現在を生きていく若い世代の「均衡感覚」の重要性について語った。 「周りから『日本文化が好きなのはいいが、歴史まで(日本政府の主張を)肯定するな』というアドバイスをよく聞きます。 日本文化も好きですが、歴史のことも常に意識するという考え方で勉強しています」このような認識は他の皆からも共感を得た。
川島さんは「過去に日本が韓国に対して悪いことをしたことについては、申し訳ない気持ちを持っている」としながらも「それでも過去と現在を上手く分け合って、今後うまくいく方法を探していくことが重要だと考える」と話した。久保園さんは加害と被害の歴史が絡み合った隣国の人々が一緒に暮らすためには、互いを「国家関係」として扱うよりは、「人との繋がり」を結ぶことが重要だと話した。 「以前は韓日関係が国家対国家の問題だと思っていましたが、今はただ『人と人』としての関係が重要だと思います。 私は過去の歴史とは関係なく、韓国人と文化が大好きなんです」
彼らは韓日民間団体だけでなく政府、地方自治体、教育機関などが若い世代を中心に活発な交流の窓を開いてほしいと願った。 韓国側の学生たちは「学校で日本語の授業時間以外は日本関連の面白い情報や文化を学ぶ機会が少ないため、他にもっと特講や交流会のようなものをたくさん作ってくれれば良いと思う」(スインさん)とか「日本に関心を持っていても別途の時間や費用を払うのが難しい友人たちのために、学校や公共機関がネット空間を活用して日本人と会う機会を増やして欲しい」(ソビンさん)と話した。 日本の学生たちは「韓国語を勉強しても日常で使う機会がないのため、韓国に行って買い物の支払いをする時に実力を試してみたい」(三嶽さん)とか「日本が米国やオーストラリアなどと高校交換学生制度を運用しているため、韓国でもその制度をうまく活用すれば、青少年たちが交流しながら言語や文化を理解する機会になるだろう」(川島さん)と期待した。
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